不動産売却時の税金について知ろう

税金や相続のこと

【はじめに】
不動産を売却するとき、その不動産そのものの価値が金額として手に入ると考えることができたら楽なのですが、税金のことも考えなくてはいけません。
税金のことをちゃんと計算しなかったために損をしてしまっては残念ですよね。今回は不動産売却時の税金について押さえておきたいポイントを説明します。

【所有期間「5年」の分かれ目】

不動産を売却したとき、この土地や建物をどのくらい所有したかで大きく税率が変わってきます。

所有期間による税率は以下のようになっています。
・5年超え…長期譲渡所得で20%
(内訳:所得税15%・住民税5%)
・5年以下…短期譲渡所得で39%
(内訳:所得税30%・住民税9%)
なお、2037年12月31日までは所得税に復興特別所得税2.1%が上乗せされます。

特に、5年を超えているのか5年以下なのかという分かれ目の期間に、不動産を売却しようとしているときは大きく負担税が違うので気をつけなくてはいけません。

【譲渡所得税・住民税がいくらになるか】

不動産を売却して利益が出ると、それは譲渡所得とみなされ所得税と住民税がかかります。言い換えれば利益が出なければこの2つの税金を払う必要はないのですが、不動産運営をしている(考えている)皆さんは主に売却して利益を考えているのですから、どのように所得税や住民税がかかるのかを知る必要があります。

譲渡所得の計算はこのようになります。
譲渡所得=譲渡価格-取得費-譲渡費用

・譲渡価格とは…不動産売却価格に固定資産税・都市計画税の清算金を加えたものになります。

・取得費とは…不動産を購入したときの購入価格や、仲介手数料など購入にかかった費用です。不動産が建物の場合、所有した年数で減価償却をします。所得費がわからないときは譲渡価格の5%に設定します。

・譲渡費用とは…不動産を売却するときにかかった仲介手数料・印紙代などの費用

建物の場合、減価償却費がどのくらいあるかも重要なことです。
年月が経つにしたがって価値が下がっていく建物などの資産にはその耐用年数に応じ分割をして配分される金額があります。

減価償却費の計算はこのようになります。
減価償却費=建物の取得金額×0.9×法定耐用年数の1.5倍の年数の償却率×経過年数

このように、不動産はあらゆる決まり事を計算に入れた上で譲渡所得が決まり、どのくらい税金がかかってくるか違いが出てきます。この計算をしっかりしておかないと不動産を売却しても思ったような利益が出なかった、という失敗につながりかねません。

【まとめ】

不動産売却時の税金とは、複雑な決まりばかりのように見えますがそれは取引を公正にしたり、儲けも出ていないところからさらに税をかけないようにといったルールで行われるように決まっているものなのです。
景気など世の中の動向を見ることも大事ですが、不動産運営にはこういった基本的なルールを把握して数字を計算することも同じように大事です。