株式を相続して売却するとどうなる

税金や相続のこと

【はじめに】
遺産相続をするとき相続するものが株式だった場合どうしますか。簡単に分配できるものではないですよね。そもそもどのように扱っていいかわからないと思います。そこで考えられることが株式を売却して利益を得ることです。
今回は相続した株式を売却するとどうなるかについて紹介します。

【相続した株式を売却すると】

株式を相続したとしても運用する知識がないと上手く活用できません。運用することに興味でもない限り売却してしまうのが一番簡単な処理方法ではないでしょうか。しかし、売却して終わりというわけにはいきません。相続した株式を売却して利益が出ると譲渡所得税が課せられます。

譲渡所得の計算方法は株式を売却した金額から取得費と売却手数料をひきます。取得費とは株式を取得するのにかかった費用のことです。払込金や購入金、購入手数料などが費用になります。

相続した株式を売却したときの譲渡所得の計算方法は先ほどと同じです。ただ、取得費に関しては亡くなった人がかけた取得費を引き継ぎます。株式を購入していたのが数十年前となると物価の違いなどから取得費が想像以上に安い場合があり、結果的に譲渡所得税の負担が多額になることもあるので気をつけましょう。

【取得費がわからないとき】

亡くなった人が株式の購入価格を記録してれば問題なのですが、なかった場合は困りますよね。取得費が不明の場合は株式を売却した金額の5%を取得費とします。実際にかかった費用が5%以下であっても分からなければ5%で計算します。要するに取得費が不明だと売却した金額の95%が譲渡所得税の対象になります。

証券会社などの金融商品取引業者等の顧客勘定元帳やそこから送られてくる取引報告書で取得費の確認がとれます。顧客勘定元帳は過去10年以内に購入した株式になります。
また、預金通帳や日記などに記録が残っていれば、それをもとにします。分からないからといってすぐにあきらめずに記録がないか探しましょう。

【最後に】

相続した株式を売却したときの譲渡所得税の申告時期を最後にお伝えします。相続税の申告期限とは別ですので安心してください。ちなみに、相続税の申告期限は死亡後10ヶ月です。譲渡所得税の申告時期は株式を売却した年の翌年2月16日から3月15日の間になっています。確定申告の時期と一緒です。
相続した株式を売却したら相続税とは別で譲渡所得税がかかるので忘れず申告しましょう。