【はじめに】
不動産賃貸をするうえで欠かせないのが帳簿付けです。
サラリーマンが副業で賃貸経営をする場合でも、確定申告をして税金を納めなければなりません。
日ごろからマメに帳簿をつけておかないと、確定申告の時に困ったことになってしまいます。
そこで今回は、帳簿をつけるうえで役立つ勘定科目の考え方と、科目の一部についてまとめます。
【資産勘定と負債勘定】
1.勘定科目と仕訳
・勘定科目
勘定科目とは、複式簿記で取引したお金を内容ごとに分類するための科目です。
勘定科目は、資産、負債、純資産(資産から負債を引いた財産)、収益、費用の5つに分類できます。
・仕訳
日々の取引を勘定科目に記録する方法です。左側に貸し方、右側に借り方を記入します。
2.賃貸経営で使われる勘定科目
世の中に存在する事業や、それに伴うお金のながれは多様です。簿記の5種類の勘定科目の中にも、いろいろなお金が含まれています。
しかし、不動産の賃貸経営で使われる科目に絞れば、お金の分類はそれほど多くありません。ここでは、資産勘定と負債勘定を見ていきましょう。
(1)資産勘定
・現金
ここでの現金は事業で使用するお金を指すので、個人として所有するお金は含まれません。
・預金
事業用の口座に入っている預金です。現金同様、個人的な預金口座のお金とは別です。
・前払費用
事業で使用する建物の火災保険料を、定期的に支払うのではなく保険購入時に一括で支払った場合に発生します。
・建物
事業で使用する建物です。不動産賃貸経営の場合は、賃貸として運営する建物になります。
土地と建物を一括で購入した場合は、固定資産税の金額等に比例して金額が割り振られます。
・建物付属設備
賃貸経営をする建物の内装、給排水設備、電気・ガス設備の工事をした場合、20万円以上の金額をまとめて計上します。
・土地
賃貸経営で土地を購入した場合、その価額は資産勘定となります。契約で建物と一括になっている場合は固定資産税の金額に比例して割り振られます。
土地には減価償却がないので、売却する時まで購入時の価額が適用されます。
・事業主貸
賃貸経営用の財布、口座から自身の生活費に回したお金です。
(2)負債勘定
・借入金
銀行などから借りたお金です。
・前受金
家賃の支払いで前払い方式を採用している場合に発生します。
実際にサービス(次月以降の部屋の賃貸)を提供していない段階で受け取ったお金は「預かったもの」となるので、負債勘定となります。
・預かり敷金
賃借人から預かっている敷金も、負債勘定となります。
敷金から償却したお金は、収益として計上します。
・事業主借
個人の財布や口座から、賃貸経営に回したお金です。
【最後に】
今回は、勘定科目・仕訳・資産勘定・負債勘定についてまとめました。
慣れるまでは大変に感じるかもしれませんが、日ごろからお金の流れを把握するうえでも、科目も意識して帳簿を付けることをお勧めします。
また、科目や仕訳についてもっと詳しく知りたい方は、簿記に関するサイトや専門書を読まれてはいかがでしょうか。賃貸経営の資金管理をスムーズにするヒントが見つかるかもしれません。