損益通算とは、いくつかある所得のうち一定の所得に損失が出た場合、それ以外のプラスの所得と相殺することによって税金額を減らすことのできる制度です。
今回、損益通算が可能な所得について、また損益通算の注意点について簡単に紹介したいと思います。
【損益通算を分かりやすく】
例えば事業所得で計算上損失が100万円でてしまった場合について考えてみましょう。
つまり事業所得で-100万円の赤字が出てしまった場合ですが、この時不動産所得は200万円の黒字があったとします。
事業所得の-100万円は不動産所得の200万円合わせて計算されることになり-100万円+200万円で合計100万円分に税金がかかることになります。これが損益通算ということになります。
これをしなかった場合、事業所得での-100万円の赤字は計上する上で所得額が0になります。
一方200万円の黒字を出した不動産所得の所得額はそのまま200万円となるので200万円分に税率がかけられ税金の計算がされることになります。
このように損益通算には所得額を相殺することによって納税額を減らす効果があります。
【損益通算が可能な所得の種類】
所得金額に赤字が出てしまった場合、他の所得から差し引くことのできる所得の種類について以下紹介いたします。
・事業所得
・山林所得
・土地建物、株式等一定のものを除く譲渡所得
・借入金利子分を除く不動産所得
一方以下の所得については他の所得から差し引くことができません。
・雑所得
・給与所得
・配当所得
・一時所得
【損益通算の注意点】
土地建物の譲渡所得は通常損益通算することはできませんが、5年以上所有しているマイホームの譲渡や借入金による一定のマイホームを買い替えた場合など一定の条件を満たせば損益通算が可能となります。
また青色申告をしている場合で損益通算をしても控除しきれない、金額の損失がある場合には翌年以後3年間損益通算による繰り越し控除することができます。
ただし、この場合条件があり
1.損失が生じた年分の青色申告書を提出期限以内に提出していること
2.損失が生じた翌年以後も引き続き確定申告書を提出していること
の2点を満たす必要があります。
【まとめ】
損益通算を利用することで税金負担を軽減することが可能ですが、そこには細かなルールがあり、今回は割愛いたしましたが損益通算には優先順位のような順序も存在しています。
損益通算について正しく理解してうまく税金対策していただければと思います。