減価償却資産を相続するとき「引き継がない」ものについて

税金や相続のこと

相続により資産を引き継ぐとき不動産のほかに減価償却資産も引き継ぐことになります。この時相続税の計算に必要となる相続遺産の価額の算出を行うのですがその中で引き継ぐものと引き継がないものが出てきます。今回「引き継がないもの」について主に紹介してみたいと思います。

【そもそも減価償却資産とは】

減価償却資産とは簡単に説明すると、「事業用の資産のうち購入価額が一単位当たり10万円以上の耐久性ありの資産」になります。例えば、建物や車、備品、ソフトウェアなどが該当します。これらの資産は基本的に長期間利用できるものなので耐用年数に応じた期間で経費処理することになっています。

【減価償却を行う方法】

減価償却を行う方法としては大きく2通りあります。

一つ目が「定額法」と呼ばれる方法で毎年一定額を減価償却費に算入する方法です。

二つ目が「定率法」という方法で未償却残高に一定率をかけて減価償却費を計算する方法で初期には多額の減価償却費を計上できますが、段々償却費は少なくなっていきます。

最終的に経費に算入される金額は変わりませんがこの二つの方法はそのペースに違いがあるということになります。

【減価償却資産として引き継がないもの】

引き継がれないものは大まかに2つあります。
一つ目が「取得年月日」です。
相続人による資産の取得年月日は被相続人がその資産を取得した年月日ではなく、被相続人が亡くなった日になります。

二つ目は「減価償却資産の償却方法」です。
「減価償却資産の償却方法」は基本的に納税者が税務署に届け出を出せば「定額法」、「定率法」のどちらかが選択できます。ただし、何の届け出もない場合には自動的に「定額法」が採用されてしまいます。

相続の際にも被相続人が生前「定率法」の減価償却方法を採用していた場合、何の届け出もしなければ自動的に「定額法」になってしまいますので注意が必要です。また逆に被相続人が「定額法」を採用していた場合でも、届け出をしないと「定率法」に変えることはできません。

【まとめ】

いかがでしたか?減価償却資産の中には相続の際「引き継がないもの」があることをお分かりいただけたと思います。今回紹介できませんでしたが「定額法」、「定率法」にも細かく見ればメリット・デメリットがあります。相続に関する知識を深め、いざというときのために備えておくとよいでしょう。