所得税法上の扶養条件について

税金や相続のこと

【はじめに】
一般的に扶養というと「自分の生活を自分で維持できない者に対してその生活を援助するための何らかの援助を行うこと」を言うことが多いですが、扶養と所得税の関係や扶養の条件などについて知らない人も多いのではないでしょうか。
今回所得税上の扶養についてお伝えしていきたいと思います。

【所得税と扶養について】

所得税で法律上扶養とされるための要件は以下のように3つあります。
1. 生計を一にすること
2. 扶養対象者であること
3. 扶養対象者の収入が少額であること
の3つです。

まず1についてですが、「生計を一にする」の定義は「日常の生活の資金を同じくすること」といえます。これは単身赴任や大学生の一人暮らし、療養のための別居などについても同様に取り扱われます。つまり生活費や学資金、療養費などの送金が行われている場合には生計が一であるとして取り扱われることになります。
また、親族が同居している場合についても同じように扱われることがあります。

また、2の扶養対象者であることについては、「配偶者控除」と「扶養控除」の2つに分けて考えることができます。まず配偶者控除についてですが、対象となるのは民法上で正式に婚姻関係のある配偶者と認められた場合で内縁の関係の方は対象になりませんので注意が必要です。さらに扶養控除については「配偶者以外の6親等内血族または3親等内姻族の親族が対象となり、年齢は16歳以上の方が該当します。

最後に「扶養対象者の収入が少額であること」についてですが、これは所得税法で扶養される方の給与収入に103万円という上限があり、扶養する側に扶養される側の生活を維持する判断基準を設けたものになります。

【所得税の控除】

上記の要件1~3を満たせば所得控除として下記の金額を控除されることになります。

・配偶者控除の場合
一般控除配偶者(70歳未満)・・・控除額38万円
老人控除対象配偶者(70歳以上)・・・48万円

・扶養控除の場合
一般控除対象扶養親族(16歳以上19歳未満)・・・控除額38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満)・・・63万円
老人扶養親族(70歳以上)・・・48万円もしくは58万円
同居老親等以外のもの・・・48万円
同居老親等・・・58万円

【まとめ】

今回詳しい説明は割愛しましたが、給与収入が103万円を超えた場合でも141万円未満までは給与収入に応じて一定金額控除の対象になる「配偶者特別控除」というくくりも存在しています。参考にしてください。