【はじめに】
引っ越しや相続、不動産投資で利益が見込めないなどの理由で不要な不動産を売却した場合、大なり小なりお金を受け取ることとなります。
売却で手に入ったお金は所得となるため、確定申告が必要です。
今回は、不動産売却を行った際の確定申告と税額の計算方法についてまとめます。
【不動産売却と確定申告】
1.必要書類
手持ちの不動産を売却した時に手元に入るお金は、税法上では給与と同じように「所得」として扱われます。そのため、確定申告が必要となります。
この項では、不動産売却後の確定申告で必要な書類をまとめます。
(1)税務署でもらう書類
・確定申告書B様式
・分離課税用の確定申告書
・譲渡所得の内訳書
(2)自分で用意する書類
・不動産の売却が成立した時の売買契約書
・売却した不動産の購入時の売買契約書
・不動産売却時に発生した仲介手数料や売却手数料の領収書
2.譲渡所得税の計算
「確定申告をしなければいけないことは分かったけど、ほとんど利益が出ていない場合も税金をたくさん払わなければいけないの?」
そんな不安を抱える人もいるかと思います。利益を出す目的で積極的に不動産投資を行っているのではなく、親族から相続した建物や土地を売る場合などは、ほとんど利益が出ないことが多いかもしれません。
税金は、所得に応じてかかるようになっているので、計算をきちんと行えば安く抑えることもできます。
不動産売却で得た所得は、譲渡所得に分類されます。
(1)譲渡所得の計算方法
不動産売却価格 -(不動産取得費+譲渡費用)
・不動産売却価格
不動産が売れた値段
・不動産取得費
不動産の購入時に発生した購入代金や手数料、購入後に行う改良費などの合計から、不動産所有期間中の減価償却費を差し引いた金額
・譲渡費用
不動産売却時にかかる仲介手数料、売買契約書の印紙税など
この計算式を用いることで、大よその税額を事前に把握することができます。
(2)譲渡所得税と所有期間
譲渡所得の税額は、所有期間によって短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられます。
売却した不動産の所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えていると長期譲渡所得となります。
長期譲渡所得は、短期譲渡所得と比べて税率が低く設定されています。
なお、所有期間は不動産売却をした年の1月1日時点の年数で計算します。
(3)損益通算
売却利益が全く出ておらず譲渡損失がある場合は「損益通算」という方法を利用しましょう。
損益通算とは、不動産関連の所得と給与所得などを合わせて計算することです。損益通算をすることで、不動産の赤字分を補うために給与天引きされた税金の一部も戻ってきます。
損益通算には定められた条件があるので、注意が必要です。詳しくは、国税庁のホームページ内の「所得税」→「損益通算」の項目をご覧ください。
【最後に】
今回は、不動産売却をした際に必要な確定申告、譲渡所得税の計算方法などをまとめました。
もしも、売却後の確定申告をし忘れた場合は、税務署から申告を促す通知が来るので、すぐに申告手続きを行ってください。
また手続きで不安な点や疑問点がある場合は、私たちサンケンコーポレーションにまでご相談ください。