不動産を所有している方が無くなった場合、その名義を相続し相続人の所有不動産として登記(=所有者名義変更)することを相続登記といいます。今回はこの相続登記の中でも、遺産分割協議における登記申請に必要な書類を見ていきましょう。
■書類は相続人と被相続人双方の書類を用意する
不動産の相続登記は、いうなれば引き継いだ不動産の名義を変更する手続きなので、元の所有者である亡くなった方(=被相続人)に関する書類と、不動産を引き継ぎ新しい所有者となる方(=相続人)に関する書類の両方が必要になってきます。
■亡くなった方(=被相続人)に関する書類
1:住民票の又は戸籍の除票
亡くなった際に住んでいた市区町村で発行してもらえます。亡くなった際の現住所を特定するために必要な書類のため、亡くなった年月日が記載されている除票であれば、住民票、戸籍謄本、どちらを手配してもOK。どちらがいいか迷った場合は発行手数料もそこまで高額でもありませんし、相続関連の別の手続きに利用することも想定できるので、両方手配するというのもありでしょう。
2:戸籍謄本等
戸籍謄本なんて本籍地の役所で簡単に取れるような気もしますが、これが結構大変で、8歳から亡くなるまでの戸籍(=本籍)の記録全てを用意する必要があります。この亡くなるまでの記録全てというところがポイントで、結婚を機に新居を構えた市区町村に本籍を移すことはよくある話ですし、海外移住から引き揚げて日本に戻ってくる過程で、各地を転々とするなどしていると、そのすべてを追うことに大変な労力と時間を使う場合があります。
また戸籍の記録というのは特定の年度において改正が入るケースもあることから、その改正ごとの戸籍を調べないといけないため、書類を用意するために何度も役所へ足を運ぶことになります。
■新しい所有者となる方(=相続人)に関する書類
1:相続人すべての戸籍謄本
遺産分割協議における登記申請の場合、分割協議にかかわる相続人すべての生存を確認するために必要で、亡くなった方は相続の対象とならないことから、このような対応が必要となります。
2:相続人すべての住民票
こちらは相続人すべての現住所確認をするために必要です。
3:遺産分割協議書
これは司法書士などを通じて用意してもらい、全ての相続人の署名および実印での捺印が必要となります。
4:印鑑証明書
遺産分割協議書に署名捺印する際の印鑑は実印である必要がありますし、その印鑑が実印である証明書(=印鑑証明)も添えなければいけません。また相続人に未成年が含まれている場合、市区町村へ実印の登録をしていないこともよくあることなので、印鑑登録からおこなう必要も出てくる場合があります。
5:固定資産評価証明書
相続する不動産にかかってくる登録免許税を算出するために必要な書類ですが、まれに家の金庫などで古い証明書が保管されていることがあります。ほとんどの場合、証明書としては有効期限切れで申請には使えません。必ず一番新しい年度の証明書を相続する不動産がある市区町村で発行してもらいましょう。
6:登記簿謄本
相続する不動産の名義が無くなった方の名義であるかを確認する必要があります。法務局で発行してもらえます。以前は相続する不動産を管轄する法務局で手配する必要がありましたが、現在では全国どこの法務局からでも書類を手配することが可能です。
これ以外にも、遺言状がある場合に関する登記がありますが、提出する書類の種類はさらに複雑となります。
不動産の相続登記に関するご相談等ござましたら、株式会社サンケンコーポレーションまでお気軽にご連絡ください。