【不動産売却】長期譲渡所得税について

税金や相続のこと

【はじめに】

不動産を売却すると、譲渡所得に対して所得税や住民税がかかります。
しかし、売却をするときには、不動産の仲介手数料や手続きの書類作成などでお金がかかってしまいます。
不動産を売却してお金が入っても、不動産業者の手数料などの経費を払い、さらに税金まで引かれてしまうと、手元に残るお金はほとんどなくなってしまいます。
そのため、譲渡所得(売却益)とは、売却価格そのものではなく、売却価格からその不動産の取得費と売却するときにかかった必要経費を差し引いた金額を指します。
また、譲渡所得にかかる所得税・住民税は、所有年数によっても変わってきます。
今回は、譲渡所得税のおさらいと、長期譲渡所得税についてまとめます。

【譲渡所得にかかる税金について】

(1)譲渡所得
譲渡所得は、次の計算で算出します。
売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得

(2)所得税・住民税
所得税・住民税は、次の計算で算出します。
課税譲渡所得×税率=所得税・住民税

(3)税率
税率は、売却した不動産の所有期間によって変わってきます。
その年の1月1日時点で所有期間が5年以内なら短期譲渡所得、5年を超えると長期譲渡所得となります。
短期譲渡所得では税率は高く、長期譲渡所得では税率は低くなります。
また、平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として、年度分の所得税の2.1%の所得税が追加されます。

【長期譲渡所得税】

ここでは、長期譲渡所得の税金の計算方法を説明します。
長期譲渡所得にかかる税率は20%(所得税15%、住民税5%)です。
(例)売却価格2億円、土地建物の取得費1億5000万円、譲渡費用600万円の場合
 2億円 - (1億5000万円+600万円)=
4400万円

税額の計算は次の通りです。
所得税4400万円 × 20% = 880万円
ここで出てきた880万円に、復興特別所得税を足します。
880万円 × 2.1% =18万4800円
880 + 18万4800円=898万4800円
税金の合計は898万4800円となります。
住宅を売却した場合は特例が適用され、譲渡所得から3000万円を引いた額に課税されます。
この特例に関しては、所有期間は関係ありません。

【最後に】

今回は、長期譲渡所得についてまとめました。
家を売却する訳ですから、20%(22.1%)とは言っても、10万単位、100万単位のお金が引かれてしまいます。
これが、短期所得税となると所得に対して40%前後の税率が課せられ、この2倍近くの税金がかかることになります。
5年経つか経たないかでこんなに差があるなら、不動産の売却は5年経ってからの方がお得ですね。