譲渡税は所有年数や所有目的によって変わる

税金や相続のこと

【はじめに】

今現在、自分の家を所有していても、仕事やライフスタイルの変化などで、より便利な場所に引っ越したいと思うことが今後出てくるかもしれません。
しかし、家を売って新たな住まいを探すのにはお金も時間もかかります。
家の購入資金または家賃もかかるのに、税金もかかることを考えると、なかなか引っ越しに踏み切れないのではないでしょうか。
今回は、不動産を売却する際にかかる「譲渡税」についてまとめます。

【譲渡税について】

1.譲渡税とは
土地や建物、株式などの資産を譲渡することによって発生する所得を、譲渡所得と言います。
譲渡税とは、譲渡所得にかかる税金のことです。
不動産を売却して譲渡所得を得た場合も、譲渡税がかかります。
ただし、譲渡税は儲け部分にかかるので、売却価格自体に税金がかかるわけではありません。
売却価格から、家を買った価格(取得費)や仲介手数料などの譲渡の際にかかった費用を引いた金額が、譲渡所得(譲渡益)とみなされます。
その家のもとの値段が分からない場合は、概算取得費として「売却額の5%」を取得費とします。

2.譲渡税と所有期間
譲渡税は、その家の所有期間によって税率が変わります。
価格が安い時に土地や建物を購入し、価格が上がると同時に売ってもうけを出す「投機的な土地売買」を簡単に行えないようにするため、このような決まりになっています。
所有期間が5年以下で売却した場合は、税率は39%(内訳として所得税30%、住民税9%)と、税率は高くなっています。
ここで注意しなければならないのは、所有期間はその年の1月1日時点での所有期間を指しています。そのため、例えば平成24年6月に取得した土地や建物は、平成25年の1月1日から所有期間としてカウントされ、平成30年1月1日時点で5年となります。
それに対し、所有期間が5年を超えた場合は、税率20%(所得税15%、住民税5%)です。5年以内に売却する場合と比べ、20%近くもの差があります。
さらに、10年以上自宅として使用していた居住用財産を売る場合は、税率は14%(所得税10%、住民税4%)となります。
税金の面からみると、家の買い替えを検討するなら、5年、10年経ってからの方がお得と言えますね。

3.特例
また、自宅として使っていた家は、譲渡益から3000万円を引いた額に譲渡税が課せられます。
したがって、譲渡益が3000万円以下の場合は譲渡税はかからないことになります。
この特例は所有期間が5年であっても適用されます。

【最後に】

今回は、物件の譲渡税についてまとめました。
譲渡税の面から見ると、住宅を売る場合は特例措置などもあるので、少しだけ引っ越しのハードルが下がるのではないでしょうか。
しかし、投資用物件などの場合は5年以内に売却すると39%の譲渡税がかかってしまうので、投資をする場合は少なくとも5年以上は所有するつもりで購入した方が損失は減らせるかもしれません。